天なびコラム

第8601話

2024年05月15日

おもかじいっぱい!

先日、フェリーに乗りました。
私が使用した航路は明石海峡大橋や瀬戸大橋の下をくぐる航路だったため、普段見ることのない橋の下からの眺めも堪能することができました。

甲板で揺られながら景色を見ていた時、ふと思ったことがありました。
おもかじいっぱい!だとか、とりかじいっぱい!って、どういうこと…?
舵を切るときの掛け声ということは知っていましたが、どっちが右でどっちが左なのか、由来は何なのかなどわからないことがたくさんだったので、調べてみました。

その昔、方向を干支で示しており、船の羅針盤には左回りに子丑寅卯…と続いていたそうです。
また、現在の船舶と違い、昔の船は「舵を左に切ると右にすすむ」という構造をしていました。
羅針盤においては、時計の3時の方向が酉(とり)、9時の方向が卯(う)であることから、卯の方向に舵を切ると右に進み、酉の方向に舵を切ると左に進むということになります。
そこで「うかじ→うのかじ(うむかじ)→おもかじ」と訛り、おもかじに。とりかじはそのままとりかじ。
ということで、右に行くときはおもかじ、左に行くときはとりかじ、となったそうです。
個人的には「うのかじ(うむかじ)→おもかじ」に訛ることある?!と思ってしまいますが、通説はそうなっているみたいです。

みなさんもお時間があるときにはフェリーでの移動も選択肢に入れてみてくださいね。

執筆者:ねねここ